1位:床材
2位:壁材
3位:接着剤
4位:断熱材
5位:下地材
6位:建具、カウンターなど
自然派住宅をつくるとしても、すべてを自然素材だけでつくるのはむずかしい時代です。しかし、家にそれなりの予算をかけることができれば、 1位~6位くらいは自然素材にすることができる。
取り巻く環境は人それぞれで、家に対する考え方も人それぞれだろう。仮に、いろいろ考えた末に自然素材をすこし減らしたとしても、人体におよぼす影響や環境負荷において、ハウスメーカーやCMの工務店には負けない。なぜなら、あきらかに基本コンセプトが違うからだ。
自然素材をつかう部位と場所に優先順位をつけて予算にあわせた、かしこい家づくりをオススメしています。
▪優先度1位は「床材」
床は室内に面していることもありますが、つねに肌が触れていることが最大の理由です。さらに、座ったり横になることで呼吸器に近くなる場所でもあるからです。まずは、床を安心できる素材でつくりましょう。
▪優先度2位は「壁材」
こちらは直接触れることはありませんが、内装材として大きな面積になるからです。素材としては、壁は漆喰で天井は和紙の組み合わせがべストだが、少し予算を抑えた和紙クロスやエッグウォールでも天然由来で風合いもいいです。
▪優先度3位は内装につかう「接着剤」
接着剤の使用量はみなさんがイメージするより大量につかいます。たとえば、ビニールクロスや和紙は紙全面に接着剤を塗って貼りつけます。つまり、壁の面積すべてに接着剤がつかわれているのです。その接着剤がケミカル系では残念です。どうせなら、タピオカ、澱粉のり、コーンスターチのような天然由来の接着剤がいいですよね。また、壁ほど接着剤をつかいませんが、床にも天然由来の接着材をつかいたいところです。
ただし、天然由来の接着剤は防カビ剤などが入っていないので、条件次第ではカビや劣化がおこる。だから、暮らし方にもそれなりの配慮が必要です。
▪「場所の優先順位」をつけるなら、「寝室が 1位」
人生100年のうち33年は寝室で過ごすといわれており、睡眠中の呼吸で床の有害物質をしらないうちに体内に取り込み、蓄積されるかもしれないからです。その次はリビングになり、子供部屋が 1番の悩みどころではあります。