ハウスメーカーや工務店は、つかう断熱材をあらかじめ決めていることだろう。
たとえ、どんな断熱材を使っていたとしても「なぜその素材なのか」を聞いて、納得できるのかが重要だろう。
私たちは、「どういう暮らし方がしたいのか」を考えて、つかう断熱材をきめることが「納得の住まいづくり」には大切だと思う。
むかし断熱材として使用されたアスベスト(石綿)が、いま大きな社会問題になっている。また、新築マイホームに入居後ほどなくしてシックハウスに苦しむ家族もいる。法律は順守しているが、コスト面を優先させて健康面を軽視した「問題のある家」が多数存在するのも事実です。
平成15年、国はシックハウス対策として法律を改正して、すべての住宅に24時間換気システムの設置を義務づけました。気密性の高まった現代の建物においては正しい判断だと思います。ところが、おおくの工務店やハウスビルダーは法律の真意を考えずに守ればいいとして、ローコストな施工方法を編み出し採用した。
その結果、室内と壁内に気圧差(負圧)がうまれ「壁内や天井内の空気を室内に逆流させた」といわれています。また、欧米諸国で問題になったシックビル症候群も気密化と断熱材が発するホルムアルデヒドが一因だといわれました。
家族の健康を守るには、いまいちど断熱材の安全性について考えなければなりません。
断熱材の種類は、どれがいい?
柱や梁はすこし太くても細くても暮らしやすさはかわらないだろう。だが、断熱材はどうか?
材質・厚み・施工の状況しだいで、光熱費の高い低いはもちろん、過ごしやすさなどの暮らしむき、しいては健康状況にまで直結しています。なのに、比較検証がむずかしい、ハウスメーカーや工務店がすすめるものなら問題ないだろうと施工を任せてしまう。違いは確実に存在するのに。
断熱材は、なにを優先するかで決まる
- 「 工法 」による選択
・充填断熱
・外張り断熱 - 「 初期費用 」による選択
・素材の価格
・施工単価 - 「 環境性能 」による選択
・製造エネルギー
・リサイクル率
・環境負荷 - 「素材の特性」による選択
・耐久性
・施工性
・防音性
・耐火性
・防虫性
ただ、すべてを完璧にみたすものはありません。また、サステナブルな暮らしを目指すのであれば使う素材も限定されます。
断熱材に安全という価値をつけるには
商品の特徴と工法をきちんと理解している人が、適材適所かつ最適施工でつかうことが大切だ。
また、今後は安全性だけでなくリサイクル製品や再利用品など、サステナブルやSDGsを考えて、次世代の子供たちに向けた社会貢献型の商品をつかう時代であろう。