断熱材

高気密高断熱について思うこと

断熱材

高気密高断熱について思うこと

 ~高気密高断熱について思うこと~

高気密とはなんでしょうか? 戦後まもない家は、すきまがおおく常に風がぬけており、そんな家を安普請(やすぶしん)とよんだ。高気密の家ならすきま風はなく、暖かくてエコだと思っていませんか? 実際には、暮らし方しだいで毒にも薬にもなります。

 壁内を外壁側から説明をすると、外壁材のすぐ内側は透湿防水シートでラッピングされています。この材料は水をはじくので、たとえ外壁材のすきまから雨水が進入してもここで食い止めます。仮にシート内まで侵入したとしても、水蒸気になれば透湿性能により自然に排出されます。簡単にいえば呼吸ができるわけです。

対して内壁側はどうか? 高気密をうたう家のおおくは、壁材のすぐ内側にビニールをすきまなく貼っています。透湿防水シートではなく、ビニール? と思われたことでしょう。その理由は、室内で発生した水蒸気を壁内に侵入させたくないからです。もし、壁内に水蒸気を進入させてしまうとうまく排出することができず、結露、カビ、腐食菌、白蟻の温床になりうるから、わざと呼吸をさせないわけです。

 高断熱とはなんでしょうか? 断熱材の性能がいいこと、それとも断熱材の厚みがあることでしょうか? 法律では、断熱材の厚みは性能がいい場合はうすくしてよく、性能がわるい場合はあつくすることになっています。つまり、性能と厚みを個別に判断しても意味がないのです。

 高断熱化とは、性能がいい断熱材を厚くつかえばいいことになります。しかし、実際には限界があります。とくに厚みにかんしては、基礎や柱などの構造材のサイズが限界値をきめてしまいます。だから、本気で高断熱化をするためには、構造から見直さなければ不可能なのです。

このことから、一般的な構造材サイズなのに高断熱をうたう家は、今までの家よりは高断熱か、法律上の基準に多少+αをしたものだと考えます。だが、+αした断熱があまり意味のない部分であれば高断熱化したとはいえないだろう。また、断熱性能の計算では、足りない分をほかの部位で性能を補う「補完」という逃げ道もある。補完をつかえば北海道レベルにもなりうるのだが、純粋に断熱のことを考えるならちょっとちがう気がする。

 とにもかくにも、家全体をビニールで覆えばビニールハウス状態になるのでエアコンは効率よくつかえます。逆にいえば、エアコンなしでは暮らしにくい家だともいえます。このことから、おなじ条件のもとで高断熱化をしたとすれば、確実に省エネへつながります。しかし、高気密化は暮らし方を狭めます。

 

まとめ

・一定レベル以上の高断熱化には、構造変更が必要。

・家の中を設備でコントロールして快適に暮らしたいなら、高

    気密は重要。

・多少不便でも自然の力で健康的に暮らしたいなら、高気密は

     要注意。

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