自然素材

自然素材をたからかにうたう家について思うこと

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自然素材をたからかにうたう家について思うこと

 みなさんは、どれくらい天然由来の素材をつかっていたら「自然素材の家だ!」と思えますか?

  1.  柱や梁など骨組み材が「木製」
  2.  天井、壁の一部が「木製または漆喰」
  3.  床材が「無垢木」
  4.  ドア、カウンターが「木製」
  5.  断熱材が「天然由来」

しらべてみると ① ② ③ がなされていれば、自然素材の家だとうたう会社が多いようだ。

たしかに明確な基準はない。だからといって、自然素材ぽいものを室内の目につくとこだけに使えばOKというのはどうかと思う。

私が「自然素材ぽいもの」といったのには理由がある。

① ~ ⑤ のすべてが自然素材/天然素材であるかのように書いているが、1つ1つの材料は本当に自然素材/天然素材と呼べるものなのか?

その詳細は、各ページにて確認してほしい。

柱や梁など骨組み材が「木製」

天然の木を乾燥させてカットして柱や梁にするならば、純粋な天然由来の材料だろう。しかし中には、カットした材料を接着貼り合わせをして強度のある材料にした梁や柱がある。その接着剤はもちろん化学物質だ。そのほかに、燃えにくくする難燃材や防虫防腐のために薬剤を機械的に加圧して芯まで染み込ませた材料もある。もちろん、この薬剤も動物実験などにより農林水産省の認可を受けた人的無害なものらしいが化学物質だ。
自然素材の家をうたうなら、どれを選ぶべきかは一目瞭然だろう。

 

 このなかで③だけは「無垢木」、純粋に天然木をカットしたものである。その他は「木製」なので、うすくスライスした木を接着剤で貼り合わせた合板、ウッドチップと呼ばれる木片を接着剤で圧着させたパーチクルボード、短い無垢木を接着材でつなげた集成材だったりする。

それらは自然由来ではあるが、本当に自然素材/天然素材と呼べるものでしょうか? また、天井・壁・床の内部はどうなっているのだろうか?

 見えない場所は当然のごとく、私たちが思う天然由来とはほど遠い製品(合板、ビニール、石油由来、鉱物由来など)であり、しかも呼吸のできないサンドウィッチ状態にして使っていたりする。

 「人は見た目が8割」という本があったが家もおなじなのだろうか、見栄えさえ良ければいいのか? 人生100年のうち、じつに50年は家の中で過ごすというデーターある。その場所が毒されていては本末転倒ではなかろうか。

 もちろん、すべての自然素材をうたう家が前記のようなわけではない。仮にそうだとしても健康被害がでないであろう程度の品質を確保する法律があり、たぶん守られている。しかし、その法律をつくった国は被害がでると想定外だと逃げるし、ものの真意を考えて施工している工務店も少ない。

ゆえに、消費者はかしこい選択ができるのかを試されていると思うしかない。また、勘違いしてはならないのは「自然素材の家がエコなのではなく、エコな暮らし方に自然素材の家がふさわしい」ということだ。だから、自然派住宅をたからかにうたう家、自然派住宅なのに高気密をうたう家はすこし眉唾の気がする。

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