住宅の定期点検のとき不具合ヶ所として、まま玄関ドアがでます。家主から相談されることもあれば、私どもが触った時の違和感から発見されることもあります。
「新築当時とくらべて、なんか調子がわるいけど… どうしたらいいのか分からないし、まあ使えるからいいか。」この考え、あとで後悔するかも。
目次
症状事例
- ドアと枠が引っ掛かる
- 鍵の開閉がしにくい
- 開閉が重い
- カタカタ異音
玄関ドアに限らず、すべてドアや窓などの建具類は調整してからお引き渡しされます。しかし、住んでいると大なり小なり狂いが生じます。基本、建具の保証期間は6カ月程度しかありません。これは使い方や環境により緩みや狂いが生じやすい箇所だからです。
この緩みや狂いも一生つづくわけでなく、新築に住まわれて3年くらいが顕著に出ることが多く、その後は時間の経過とともに木材や器具が環境に馴染み次第に落ち着いてきます。
その過程において、不具合のまま使用していると… 破損や深い傷を生じさせたり、ドアが外れてケガ(ドアは重量物です)をする恐れもあります。そうならないために年1回のチェックとお手入れをしてください。
ドアのチェック箇所とお手入れ方法
ドアハンドルまわりのビス
平面にあるシリンダー錠やハンドルの止めビスは目につくものを増し締めします。ドア本体の側面側にあるデッドボルトやラッチボルトを止めているプレートは忘れがちですがよく緩むので、そちらも要チェック。
↑内鍵周りのビス(例)
↑ハンドル周りのビス(例)
↑ハンドルビスは裏に隠れていることも
↑ドア側面のラッチボルトとデッドボルト周りのプレートとビス(例)
↑ドア鍵は上下に2カ所あるので、それぞれをチェック
ドア枠鍵まわりのビス
ドア枠側にあるストライク(デッドボルト受け・ラッチボルト受け)、トロヨケを止めるビスも緩みがちなので増し締めします。
また、ストライクとトロヨケの間に可動式のプレートが仕込まれているタイプもあり、こちらはストライクのビスを緩めて調整プレートを上下左右にずらすことでドアの閉まり具合を簡単に調整できます。
↑窪んだ穴がストライク。上部にあるのはドアガード(防犯用の開き止め)
↑下鍵用のストライク
↑こんなところにビスが隠れていることも。可動できるところは動かしてみましょう
ドアと枠を止める丁番のビス
丁番の固定ビスも緩みますので増し締めします。こちらにも調整式タイプがあり、丁番に矢印・上下・左右・固定など刻印でおしらせがあれば、そのビスを動かすことで表示通りに動かすことはできますが、まずは、なにも表示のないビス(これが丁番自体をとりつける固定ビス)を増し締めしましょう。
そのうえで必要があれば調整をおこなってください。また、詳しい調整方法は各メーカーさんのホームページを参考にしてください。
↑ドア本体と枠をつなぐ丁番
↑丁番は2~3カ所ありますので、すべてをチェックしてください。
可動部に潤滑剤を注油する
各可動する部位に潤滑剤を注油します。ただし、*鍵穴には注油しない。
増し締めのコツ
*ビスはきつく締めすぎない
- プラスチック樹脂製のものを止付けている場合
破損の恐れがあるので、すこしずつ締めていき音などが出たらやめます。 - 金属製のものを止付けている場合
きつく締めます(力いっぱい締めてはいけません)、締め付けてから1/8回転くらい緩めてください。こうすることで逆に緩みにくくなります。
注油の注意点
*必ずシリコン系の潤滑剤を使用する
*基本、鍵穴には注油しない
最後にシリコンスプレーを可動部分に注油します。なお、シリコン系潤滑剤をすすめる理由は下記事をご覧ください。
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