【家は建てて終わりじゃない!】注文住宅の長期保証とアフターメンテナンスを考える

ハウスメーカーや一部の工務店では「住宅延長保証」を勧めています。

永久保証や60年保証の特約が付けられて点検は無料であったとしても、必ず有償メンテナンス工事をすることが条件になっている筈です。そして、延長保証の中身は主要構造部の欠陥と雨もりの2点のみで、地震・暴風雨・積雪など必ず起こりうる自然災害を起因する建物の損壊・雨もりは保証対象外。

住宅の高寿命のためにメンテナスは必要ですが、ほぼ起こり得ないことのために延長保証をして高額なメンテナンス費用を払い続けるよりも、「メンテナンス費用の少なくなる家」にしたり「建築会社の無料相談を利用」しながら「自分たちでメンテナンス時期と金額を決める」ことがよほど有益だと思いませんか?

 いま一度、保証期間について考える機会になれば嬉しいです。

 

家は「保証期間」を考慮して購入することが大切?

たしかに住宅保証は大切です。しかし、安に保証期間だけをとらえて「安心だ!」と思うのは早計だろう。

小さな工務店などでは法律で定められた最低限の期間である「10年保証のみ」の会社や「20年~30年保証」をうたう会社もあります。一方で大手ハウスメーカーなどは「60年保証」もしくは「永久保証」をしている会社もあります。はたしてどれがお得なのでしょうか?

かしこい判断をするために、まずは住宅保証とは何かをおさらいしましょう。

住宅保証とは

平成12年4月1日より施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(通称:品確法)により、新築の住宅は引渡から10年間の「瑕疵担保責任」が義務付けられました。 

家を新築すると、建築会社または住宅販売会社の10年保証( 瑕疵担保責任:売却した物件に隠れた瑕疵があった場合、売主が負担すべき責任のこと )が付いてきます。もし、建物に瑕疵があれば住宅の買い主は、売り主(販売店・ハウスメーカー・施工会社など)に賠償請求と修繕のための補修工事を無償で要求することができます。 
※瑕疵:約束されたとおりの性能や品質が確保されていない状態のことで、いわゆる「欠陥」のことです。 

保証(瑕疵担保責任)の範囲は

【1】構造耐力上主要な部分

小屋組、屋根板、斜材、壁、床版、外壁、柱、基礎、土台、基礎杭など

【2】雨水の浸入を防止する部分

屋根、開口部、外壁、排水管など 

木造と鉄筋コンクリート造で保証の内容は多少異なるものの、この部位の不具合は瑕疵または瑕疵を起因とする不具合でない限り、ほぼ起こり得ない内容です。そして、不具合が起きやすい自然災害(台風・地震・津波・洪水)による被害は保証の対象外となっており、地盤による不具合も対象外です。

ですから、地震や台風などで構造耐力上主要な部分である柱が傾いても屋根瓦が割れて雨漏りしても保証はされず、地盤が傾いたり沈下して建物にひび割れをおこし、雨もりをしたとしても保証はされません。

まとめると
  • 10年保証の中身は主要構造部の欠陥と雨もりの2点
  • 自然災害に起因する建物の損壊や雨もりは保証対象外(地震・暴風雨・積雪などの必ず起こりうる自然災害については自己責任)
  • 地盤が原因での建物の損壊や雨もりは保証対象外

※自然災害については、住宅保証と別に加入している「火災保険」や「地震保険」で対応できます。また、地盤についても、住宅保証と別に「地盤保証」に加入することで対応できます。

会社が倒産してしまったら

万が一、ハウスメーカー・工務店・販売店から家を購入して10年経たずに廃業(倒産)してしまったら、どんなに立派な保証書が存在していても、それらは無効になってしまいます。

それでは困りますよね!

そこで、2009年10月以降に引き渡される住宅には瑕疵担保責任を履行させるために、施工会社に対して「資金確保」が義務付けられました。

これが「瑕疵担保責任保険」と呼ばれるもので、新築の住宅を引き渡す施工会社は「瑕疵担保責任保険」に加入しなければ引き渡しをすることができません。また、瑕疵担保責任保険には販売店(おおくは不動産会社)向けの商品もあり、施工店が瑕疵担保責任保険に加入していな場合などにはこちらに加入して引き渡しをしなければなりません。

まとめると

「瑕疵担保責任保険」に加入していると、施工会社が建物を引き渡してから10年以内に廃業あるいは倒産してしまっても、10年保証の「主要構造部の欠陥と雨漏り」の保証は担保される。 

※大事なのは、この保証は「自然災害に起因する建物の損壊や雨もりは保証対象外」「地盤が原因の建物の損壊や雨もりは保証対象外」なのです。

10年(瑕疵担保責任)を過ぎたら保証はどうなるの

瑕疵担保責任の10年間が経過した時点で、有償または無償の点検を受けて必要なメンテナンスをその施工会社で実施(もちろん有償)することを条件に、プラス5年あるいは10年の保証が継続されます。

なお、保証対象項目はどの会社も「主要構造部と雨漏り」です。

 

保証に対する各社のアプローチ

ここで話しを戻して、保証に対する各社のアプローチを調査してみたので確認しよう。

「10年保証のみ」の工務店など
    • 会社A:無償点検+有償補修
    • 会社B:永久無償点検+有償補修
「20年保証」もしくは「30年保証」をうたう工務店など
    • 会社C:10年目まで無償点検+有償補修、11年目以降は有償点検+有償補修
    • 会社D:20年目まで無償点検+有償補修・21年目以降は有償点検+有償補修
「60年保証」もしくは「永久保証」をうたう大手ハウスメーカーなど
    • 会社E:30年目まで無償点検+有償補修・31年目以降は有償点検+有償補修

保証期間はマチマチであったが、構成は「無償有償の点検+有償補修」であった。また、瑕疵担保責任の10年経過にともなう有償または無償の点検ののち、必要なメンテナンスをその施工会社で実施(もちろん有償)することで、プラス5年あるいは10年の保証が継続される条件はかわらなかった。その積み重ねが20年保証・30年保証・60年保証であり永久保証なのである。

とどのつまり、保証期間の延長には「点検+有償補修」が必要だということです。

 

保証料に注目

保証期間については各社マチマチだが、その実態は「点検+有償保証」の積み重ねであることはご理解いただけただろう。しかし、意外と知られていないのが保証料のことだと思う。

「〇〇年保証します」と言われて、まさか無料で保証されているとは思ってはいないと思うが、保険制度なので年数に応じた掛け金が必要です。その徴収方法に違いがありました―

  • 住宅購入時の諸経費でまとめて徴収
  • 10年ごとの更新時期に徴収
  • 有償補修に価格転嫁して徴収

この3パターンがあり、気が付かないうちに保険料を徴収されているパターンは詐欺まがいの気もしなくはないが、いずれにしろ保証を引き受けるのは施工会社ではなく損保会社(供託金を積み立てている会社は除く)です。

そうです、施工会社は窓口であり、保証を運用しているのは損保会社ですから預かり金より事故(修理依頼)が多ければ損をします。だから、データーに基づいて保険料と事故予防のための有償補修(メンテナンス)を義務づけているとも言えます。

 

有償補修はくせもの

有償補修とは:保証継続のために、受けておかなければならない有償のメンテナンス。
5~10年ごとの防水メンテナンス・防蟻(ぼうぎ:白アリ予防)メンテナンス、15~20年ごとの外装メンテナンスなど。

本来、このメンテナンスは自分たちで決めるべきです。

なぜなら、建物の立地条件によりメンテナンス時期は違うものなのである。南向きの直射日光が降り注ぐ家と建物の影にある家では外壁の痛み具合に歴然としたちがいがあるし、外壁材料の質に因っても全然ちがうのである。また、施工を1~2年の延ばしたからと言って何かちがいが起きるかといえば何も起きません。

しかし、保証継続のための有償補修は、時期が来たら一律におこなうことを意味している。何も考えずにメンテナンスを指示・指導してもらえるから簡単でお気楽だと言えなくもないが、自己管理のできる人にとっては迷惑このうえないのではなかろうか。

 

メンテナンス費はおいくら

平均的な新築住宅を購入した場合、住宅ローンの借入最長期間である35年目までのトータルメンテナンス費は計323万円程度のようです。この金額だけ聞くと「高っ! 車買える…!」と愕然してしまうかもしれませんが… 実はこれ、一般的には決して高くありません。

建築会社によっては…35年目までのメンテナンス費が、なんと1,000万円を超えるなんてことも。なぜ、こんなに差が生まれるのかというと―

  • 初期建築費は安いけれど、建てた後が高く付く
  • 初期建築費は高いけれど、建てた後は安く済む

この2パターンがあるからです。

323万円という金額だけ聞くと非常に高額に感じますが、良心的な建築会社がこの位であって、ローコスト住宅であったり大手ハウスメーカーであればもっと必要だろう。

この323万円を毎月負担額として計算してみると月7,690円ほどになりますから、余裕を持って月1万円は貯金しておくことが必要でしょう。

 

なぜ住宅メーカーが延長保証をすすめるのか?

お施主さまは、住宅メーカーから延長保証を促されると「保証が切れてしまうのなら…」と契約をしてしまうということが多いようです。また、途中で他社にてリフォームをしてしまうとこの長期保証は打ち切られます。

これ、いわゆる「縛り」です。

保証を利用してハウスメーカーは将来にわたり、メンテナンス工事やリフォーム工事を自社で受注し続けることができるというわけです。もちろん建物を長期使用するためにはメンテナンスは不可欠です。しかし、長期保証制度を使っているとメンテナンス工事やリフォーム工事のときにお施主さまは自由に施工会社を選べません。

そのため、ほかの会社と比較されることもなく相見積を取られる心配もないので、工事価格を自由に提示できるのでハウスメーカーは大きな利益を出しやすくなります。 

お客様にとって延長保証は本当に必要なのでしょうか?

 

保証期間より、その他をチェック

保証期間の違いなど、何の意味もなさないことをご理解いただけただろうか。

  • 全国区の大きいハウスメーカーだから長期保証で安心は間違い
  • 地域密着型の小さい会社なら永久無償点検は当たり前
  • 保証期間が長ければ保証料も掛かる
  • 長期保証では有償補修(メンテナンス)の施工会社の選択はできない
  • 決められた期日で必ず有償補修(メンテナンス)イベントが起きる
  • メンテナンスをぶん投げできるので楽をしたい人にとってはメリット
  • 自分で管理できる人にはデメリット
  • 建物の老朽化は立地条件の影響を多分に受けるのに一律で期間で施工
  • 家のことは1~2年先延ばしにして家族のイベントにお金を使いたいと思ってもできない

期間年数に躍らせられたり、まやかしの安心にすがったり、レールに乗って楽をするのもいいですが―

  1. 保証期間を喜ぶより、メンテナンス費用の少なくなる家にする
  2. 地元密着の会社で常に家を見てもらえる環境をつくる
  3. メンテナンス費用と時期の選択権を自分たちで持つ

この3つを選択した方がよっぽど賢いのではないでしょうか。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP
CONTACT ACCESS