数ある潤滑剤の中で、「住宅メンテナンスで最も適した潤滑剤は?」と聞かれれば、私は「KUREのシリコンスプレー」と答える。
その理由は……
潤滑剤は使用場所や使用用途によって、いろいろな種類があります。
いざホームセンターに行って購入しようと思っても種類が多く、また、どれも同じような感じで違いが分からず、結局どれを選んだよいのか悩んでしまうことでしょう。
そこで、住宅メンテナンスに最も適した1本をご紹介します。
潤滑剤の種類はいろいろ
わが事務所で、メンテナンスに使用する潤滑剤たちです。
すべてKURE(呉工業さん)のもので、どこのホームセンターでも購入できるものです。
右から……
- シリコングリスメイト
粘性の高いシリコン系グリース油……高速運動をする箇所に塗布します。粘性が高いので飛び散らず、-50℃~250℃で使用できて焼けたり凍ることも少ない。ゴムやプラスチックにも使用できる。 - 6-66
サラサラの浸透系鉱物油……水掛かりする可動部に塗布します。もともと船舶用に開発された商品で、水を排除する防湿効果で防錆をして動きを保つタイプで、通電阻害がないため電子部品につかえたりもします。 - 5-56
サラサラの浸透系鉱物油……外部の一般可動部に塗布します。みなさんご存じ「クレ・ゴーゴーロク」です。浸透力高く潤滑と防錆効果のみならず、サビ落としもできます。また、精密機器にもつかえる優れた潤滑剤で、なんにでも振りかけたくなりますが使用には注意点があります。 - シリコンスプレー
サラサラの浸透系シリコン油……素材を選ばず潤滑させます。シリコーン被膜を形成することにより潤滑だけでなく、ツヤ出しや防水にも効果があります。
*****
本当は、可動部位によって潤滑剤は変えた方がいいのですが、ご家庭でそんな面倒なことはしたくありませんよね。
そこで最良の1本「一家に、これ1本」をお知らせします。
「一家に、これ1本」はズバリこれ
クレ・シリコンスプレーになります。
その理由
- 金属、ゴム、プラスチック、木、紙などさまざまな素材に使用できる
- 主成分が鉱物油や石油系溶剤でなく、シリコーン
*****
素材を考えて塗布する必要がない。
鉱物油や石油系溶剤を含むものは、ゴムやプラスチックを侵す可能性があるので注意を要する。
よくあるのが良かれと思って塗布したオイルで、ゴムパッキンやプラスチックブッシュが変形してしまい、水漏れや可動不良をおこすこと。
固形化しにくい。
鉱物油は時間と共に劣化して粘性化して黒い塊になり潤滑阻害をおこすので注意を要する。
よくあるのが戸車(扉の下にあるコロのこと)で、そこに髪の毛や綿ホコリが絡みつき動きが悪くなったのをムリに動かして摩擦熱がおこり、結果オイルが劣化して黒い塊となって固着している状態。さらに悪くすると戸車のコロが破損して扉、床、レールを削ってしまうこと。
溶解させにくい。
鉱物油や石油系溶剤の特徴を知らずにやってしまうのが、オイルがオイルを溶かす現象。
よくあるのがメーカー出荷時に必要ヶ所にグリスが施工されているにもかかわらず、オイルを塗布したことでオイル同士が混ざり合い溶け出してしまって、余計な箇所に入り込んで動きを悪化させること。
*****
いいことばかりに感じるシリコンスプレーだが、潤滑性能の持続性は悪い。
こまめな塗布が必要です。
コメント