引き戸の調整とお手入れのしかた

引き戸は2種類のタイプが存在します。このタイプにより調整の場所とお手入れの方法が異なります。まずは、調整したい引き戸がどちらのタイプなのかをご確認ください。


① 敷居置きタイプ→こちら
床にレール(敷居)があり、扉がその上を滑って動いているもの。
② 上吊りタイプ→こちら
床にレールはなく、上部のランナーに扉が吊り下げられているもの。

引き戸は新築完成時に調整をして引き渡されるのが一般的です。しかし、使っているうちに少しずつ狂いが生じ、特に新居に住まわれて3年くらいは狂いが顕著に出ることがあります。

理由はいろいろですが、人の生活や季節の変化により家は湿潤状態と乾燥状態をくりかえすことで、この変化に順応するように木材が「反る」「捻る」「痩せる」などの動きを生じることが一番の原因です。だからといって、いつまでも狂うかというとそうでもなく時間の経過とともに家を構成する材料たちが環境に馴染んで落ち着く(狂いが出きって少なくなる)ことで減ってきます。

ただ、その過程で歪みが酷いのにムリに動かしたとで部品の破損をまねいたり、ドア、枠、床に深い傷を入れてしまうことも。また、必要以上に強く操作したことでビスが緩み扉が外れてケガをする恐れもあります。

そこで、自分でできるチョットした調整とお手入れをご紹介します。

 

①敷居タイプの調整方法と手順

*敷居タイプの引き戸は、床にレールや敷居と呼ばれる溝の掘られた下枠が設置されています。

このタイプの引き戸を調整するには、扉の下部に調整戸車(とぐるま)があり、いつでも簡単に調整ができます。

引き戸で起こる症状のほとんどは「扉のさがり」が原因による床やレールのコスレになります。

  • 扉がレールにコスる
    →「上⇔下」と刻印されたビスをドライバーで上げる方向に回します。
  • 扉が真ん中の壁の小枠(中方立)にコスる
    →「左⇔右」と刻印されたビスをドライバーでします。

*戸車は左右にあり、扉が左右どちらかに傾むかないように両方をバランスよく回して調整をします。また、ほとんどのメーカーではドアのように「固定」ビスはありません、調整したら完了です。

*****

敷居タイプはレールや溝にホコリや砂などがたまりやすいので、綿棒や雑巾でこまめに掃除します。

レールにできた黒い汚れは、金属やプラッチクのコスレゴミです。

濡れ雑巾で拭き取ります。

*なかなか落ちないときは、「無水エタノール」をつけて拭き取れば簡単に落とすことができます。

掃除次いでに、レールを取り付けているビスに緩みがいないかチェックします。

緩みがあれば増し締めします。

 

お手入れ(注油のしかた)

敷居タイプの扉は上にあげながら手前に引けばハズレます。

*重量があるので注意してください。

戸車の軸に注油します。

この時に、戸車の軸に巻き込んだ髪の毛やホコリ、汚れも除去します。また、余分なところに吹きかけたり、垂れた潤滑剤はティシュペーパーで拭き取ります。

*戸車の車には注油しないでください。(コスレとゴミで油ダマになります)
*注油後は潤滑剤をなじませるために、数回動かしてください。

*****

注油につかう潤滑剤については、こちらをご覧ください。

「敷居タイプ引き戸の調整とお手入れのしかた」は以上となります。

 

②上吊りタイプの調整方法と手順

*上吊りタイプの引き戸は、床にレールや敷居と呼ばれる溝はありません。代わりに上枠に丈夫なレールが設置されています。

このタイプの引き戸を調整するには、扉の上部に調整付きランナー受けがあり、いつでも簡単に調整ができます。

引き戸で起こる症状のほとんどは「扉のさがり」が原因による床のコスレになります。

  • 扉が床をコスる
    →「上⇔下」と刻印されたビスをドライバーで上げる方向に回します。

*ランナー受けは左右にあり、扉が左右どちらかに傾むかないように両方をバランスよく回して調整をします。また、ほとんどのメーカーではドアのように「固定」ビスはありません、調整したら完了です。

 

お手入れ(注油のしかた)

ランナーに注油します。

ランナーは4つの車がついているので、4つとも施します。また、垂れた潤滑剤はティシュペーパーで拭き取ります。

*車が見えにくいからと、大量の注油はしないでください。
注油後は潤滑剤をなじませるために、数回動かしてください。

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注油につかう潤滑剤については、こちらをご覧ください。

「上吊りタイプ引き戸の調整とお手入れのしかた」は以上となります。

 

最後に

  • お手入れは1年に1度くらいを目安におこなってください。
  • メーカーにより操作方法に若干のちがいがあります、操作のわからない場合はメーカーにお問い合わせください。
  • ネジ山やレンチ穴の破損につながりますので、サイズの合う工具をお使いください。

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