家がほしいと思い調べはじめると「建売住宅」「売建住宅」「注文住宅」と3つの取得方法があることを知ります。しかし、それぞれのちがいがわかりにくい。
そもそも、なぜ販売方法がわかれているのか? また、購入者のメリットとデメリットはなにか? まとめておきたいと思います。
建売住宅と売建住宅
この2つはともに不動産(土地と住宅)の販売のことで、手法のちがいにより呼び名がかわります。
建売住宅
読み: たてうりじゅうたく分譲宅地に建築され、敷地と一緒に販売される住宅をいう。
類似の用語として「売建住宅」があるが、建売住宅の建築主は不動産業者であるのに対して、売建住宅の建築主は宅地購入者である。開発した宅地を分譲する際に、同時に宅地の購入者がその宅地に建設する住宅を分譲事業者に発注する方法で建てられた住宅をいう。
売建住宅
読み: うりたてじゅうたく開発した宅地を分譲する際に、同時に宅地の購入者がその宅地に建設する住宅を分譲事業者に発注する方法で建てられた住宅をいう。
「建売住宅」の建築主は不動産会社であるのに対して、「売建住宅」の建築主は宅地の購入者である。建売住宅に比べて設計などの自由度は高いが、建築を請け負う業者はあらかじめ決められている他、用意された建物の設計モデルから選択して発注することが多い。
なお、宅地分譲の方法は、大きく、宅地のみの分譲(更地分譲)と住宅付の分譲(建売分譲)に分かれるが、売建住宅はその実態を照らせば後者の類型に近いと考えてよい。また、宅地分譲の際に一定期間内に住宅を建設することを条件とする方法(建築条件付宅地分譲)があるが、売建住宅はこの方法の一つでもある。
漢字をよみくだせば、「建てて売る住宅」と「売って建てる住宅」になります。簡単にいえば、「敷地と完成品のお家をいっしょに売ってます=建売住宅」「敷地を購入いただいてからお家を建てます=売建住宅」になります。
契約のしかた
建売住宅であれば、土地と建物を「1つの売買契約」で同時におこないます。対して売建住宅は、「土地の売買契約」と「住宅の請負契約」をそれぞれおこないます。
ちなみに、注文住宅は「住宅の請負契約」をおこないます。
- 「売買契約」とは、
法律にもとづいて宅地建物取引業者が宅地建物取引士に説明をさせて土地の売買契約をおこない、引渡しを完了させて取引を成立させます。 - 「請負契約」とは、
法律にもとづいて建設業者が住宅工事を請負契約をむすび、住宅を完成させ引渡しを完了させて取引を成立させます。
販売主はだれ?
建売住宅では、土地および建物は販売会社(不動産会社、建設会社、商社)のものです。それを、売買契約によって購入者(買主)に移管します。
最近ではここに販売委託先として仲介業者(ブローカー)が入っていたりするので、わかりにくい状態になっています。
売建住宅では、土地は販売会社(不動産会社、建設会社、商社)のものです。それを、売買契約によって購入者(買主)に移管します。しかし、建物はこれから建築していくものなので発注者(建築主)のものです。
ここでも販売委託先として仲介業者(ブローカー)が入っていることもありますが、介入できるのは土地のみです。
注文住宅では、これから建築していくものなので発注者(建築主)のものです。
建売と売建のメリットとデメリット
建売住宅・売建住宅には、販売会社と購入者のそれぞれにメリットとデメリットがありますので比較検討してみました。あなたはどのように感じますか?
建売住宅のメリットとデメリット表 | |
購入者 |
販売会社 |
メリット |
メリット |
デメリット |
デメリット |
販売会社は、「価格」「利益」「工期」「回収」などをとことんコントロールできるため事業計画がたてやすい。この1点が最大のメリットです。
購入者は、区割りした敷地と完成した建物をみて購入できることが最大のメリットです。また、建物の完成を待たずにそく入居できますが、待つ楽しみがないともいえます。諸費用が安くなる件は総額からかんがえると微々たるものかもしれません。
売建住宅のメリットとデメリット表 | |
購入者 |
販売会社 |
メリット |
メリット |
デメリット |
デメリット |
販売会社があまりやりたがらないのは、「〇初期投資が少ない」メリットはあるものの「✖事業計画が立てにくい」「✖資金回収がおそい」ことが大きなデメリットだからだと感じます。
購入者はメリットの方が強いと感じますが「✖完成をイメージしにくい」ことがネックでしょうか。また、建売住宅にくらべ費用がかかるのは契約が2つになることで発生する、印紙代、住宅ローン手数料、登記費用くらいです。これは、土地から探す注文住宅も同じです。
注文住宅
注文住宅は、建売住宅や売建住宅にくらべると素直でわかりやすいです。住宅を建てる目的で土地を買うか親からもらい受けるなどして、まず敷地を自分のものにします。そこから自身の味方として設計事務所に依頼したり、建設会社や工務店をえらんだりして建築請負契約をします。請負契約では発注者(建築主)が材料を購入して(実際は施工店などが代理購入する)、それをつかって請負者(建設会社や工務店)が工事をして目的物を完成させ金銭の授受をもって引き渡し契約を完了させます。
そう、発注者さんが主体となり材料を購入して工事をやらせているのです。これが「建築主、施主(せしゅ)」といわれる所以です。なので、なにかあった場合は責任も負うことになるんです。
まとめ
・住宅の取得方法は3つある
・建売住宅、売建住宅、注文住宅で契約方法がことなる
・建売住宅では完成品をみて買えるメリットがある
・売建住宅では自由度があるが、完成をイメージしにくいデメリットがある
・注文住宅は土地がないと、土地探しでつまずきやすい
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